2011/05/27

タンデム自転車乗り方講座 その1

「タンデム自転車、乗ってみたい、おもしろそう。でも、難しいんじゃないか」と思っている方。 タンデム自転車の最初の難関はスタートです。 この難関さえ越えれば、タンデム自転車には、すぐに慣れちゃいます。

なので、今日は走り出し方だけに絞って、手順を解説します。

  1. 前に乗る人が自転車にまたがる。ブレーキをかけて自転車を支える。
  2. 後に乗る人が自転車にまたがる。両足をペダルに乗せる。ペダルを後回しで踏み出す位置にセットする。
  3. 前に乗る人は、後に乗る人に合図して、いつもと同じように走りだす。
  4. 後に乗る人は、前の人にあわせてペダルを動かす。頑張って踏まない。

ここで一番重要な点は、後に乗る人が走り出す前から両足をペダルに乗せてしまうところです。 これさえできれば、走り出せます。

どういうことかというと。 後に乗る人が両足をペダルに乗せられるということは、前の人が自転車を支えていられる、ということだからです。 こうなるとタンデム自転車は、「重い荷物を載せた自転車」と変わりありません。 「重い荷物」は乗っているだけでなく、自分の体重ぶんの動力を提供してくれる(はず)ですから、いわゆる「二人乗り」より楽なんです。

ここで腕力が必要になるなら、うまく行っていません。 自転車をまっすぐに立てていれば、全ての荷重は自転車が支えてくれます。


前に乗る(操縦する)人の練習

  • 最初は、一人で乗って、自転車の長さに慣れる
  • 次に慣れた人と組んで、自転車の重さに慣れる

という手順を踏めれば確実です。 でも、たいていは「最初に一人で乗る」練習だけで充分です。

あ、そうそう。 自転車にまたがる時は、足をサドルの前から回します。 足をサドルの後ろから回して自転車にまたがろうとすると、後席のハンドルに引っかかってうまくいきません。


後に乗る人は、いつもより上品にお過ごし下さい。

  • ペダルは滑らかに、前の人にあわせて踏む。
  • 急に体を動かしたりしない

後に乗る人の動きは、操縦に影響を与えます。 一生懸命ペダルを踏むのはタンデム自転車に慣れてきてから。 最初はそっと力を添える感じでペダルを踏むと、自転車が安定します。


文章でイメージがつかめなかった方、もうちょっと詳しく知りたいという人は、「タンデム自転車の発進・停止」で紹介しているビデオをご覧下さい。

乗り方講座、いかがでしたでしょうか。 続く(かもしれない)

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2011/05/26

その道までタンデムはどうやっていけばいいのだろう

TEAM KEEP LEFTのサイトに自活研の小林理事長のコラムが掲載されています。 記念すべき第一回は、「タンデムとヘルメット」

昔からタンデム自転車の一般公道走行可だった長野県に加えて、兵庫県、山形県、愛媛県、広島県がOKになった。 和歌山県は自転車専用道路に限って解禁したが、その道までタンデムはどうやっていけばいいのだろう。 ...

そもそも、なぜタンデムを禁止しているのかが理解できない。 ...安全のための規制なのか、既成の法律や行政の都合によるものなのかわからない。

記事全文: TEAM KEEP LEFT > 自転車時代がやってきた! > 2011年05月19日(木) 【自活研・小林理事長の自転車コラムその1】 ~タンデムとヘルメット~


この記事の主旨は、枝葉末節の事象は個人の裁量に任せて、基本的・本質的な安全対策に力を入れるべきというものでしょう。 ここでは主旨からはずれて、タンデム自転車にまつわる不条理を話題にします。

「その道までタンデムはどうやっていけばいいのだろう」

タンデム自転車に一人で乗るのは合法、自転車専用道など自転車の定員乗車を認めているところでは定員乗車できます。 自動車に例えると、「一般道の自動車には二名まで乗れる。自動車専用道であれば定員まで乗って良い。」みたいな規則。

さて、タンデム自転車を自転車専用道路までどうやって運びましょうか。 タンデム自転車は一人で乗る分には単なる「自転車」ですから、自転車として走れる場所は走れます。 ですから、自転車専用道路までは、

一人は歩く
時間かかっちゃいますね。
一人はもう一台の自転車を使う
自転車専用道路まで行ったらタンデム自転車に乗り換える訳ですが、走り出したところに戻らなきゃいけませんね。 それとも、もう一人は折りたたみ自転車にして、それをタンデム自転車の荷台に載せる?
一人はタクシーに乗る
「運転手さん、自転車専用道路までお願いします。」 「お客さん、何言ってんですか?」
自転車専用道で同乗者をナンパする
ねえ君、乗ってかない? -- 無理無理

一般的には一緒に乗りたい人がいるからタンデム自転車を使うわけですから、どれも意味がありません。 そもそも、移動の手段でもある自転車を、運ばなければ乗車できないというのはナンセンスな話です。

実際のところ、タンデム自転車を自動車で運んだり(クルマを置いたところに戻ってこなければならないが面倒です)、 公共交通機関を使って「輪行」したり、 本来なら無用な努力をしてタンデム自転車に乗っています。

違反だったり違反じゃなかったり

都道府県ごとに規則が違うせいで、不思議なことが起こります。 長野や兵庫、山形をタンデム自転車で走行できても、県内を出られないのです。 県境を越えたとたんに「違反」になってしまいます。

となると、愛媛県と広島県を結ぶ"しまなみ海道"が唯一、県をまたいで走ることができる場所です。 実は、長野県に接する群馬県の一部の地域でタンデム自転車が許可されているので、そこでも越境できることはできます。

東京からドライブに出かけたら、埼玉県で何人かクルマから降りなければならなくなる、みたいな話です。

「そもそも、なぜタンデムを禁止しているのかが理解できない。」

実は誰も理由を知らないのですよ。 無い理由を理解できる人がいるわけ無いんです。

タンデム自転車が一般道で定員乗車できないのは、各地域の公安委員会規則によるものなのですが、定員乗車できない理由を説明できた公安委員会は一つもありません。 規則を定めた当時には、意図が明確にあったのでしょうが、それはすでに失われています。 理由は判らなくても、なにか理由があったはずだから、規則は変えにくいみたいです。

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タンデム車の許可状況 update

タンデム自転車交流協会のサイトに、「タンデム車の許可状況」というページがあるのですが、最終更新日が去年の一月で、情報が古くなっています。

去年の8月に愛媛県でつづいて広島県が、一般道でタンデム自転車でタンデム[1]できるようになりました。 また、今年の正月からは和歌山県で、自転車専用道路等に限定されて解禁されました。

従って、2011年5月現在で、タンデム自転車の許可状況は下記のとおり(のはず)です。


走行場所による限定

都道府県内全域で許可
長野県、兵庫県 、山形県、愛媛県、広島県
地域を限定して許可
群馬県、栃木県
自転車歩行者専用道[2]で許可
栃木県、茨城県、東京都(「タンデム車を除く」の標識が必要 [3])
自転車専用道[4]で許可
下記例外を除きほとんどの都道府県
ただし、山梨県はタンデム車は二輪に限定している。
自転車専用道でも不可
千葉県、静岡県、大阪府、鳥取県

業務による限定

旅客業務であれば可(同乗者は2名以下)
北海道、青森県、秋田県、岩手県、宮城県、石川県、福井県、岐阜県、三重県、奈良県、和歌山県、兵庫県、岡山県
旅客業務であれば人数制限無し
広島県、徳島県、福岡県、佐賀県、長崎県、大分県、宮崎県、熊本県、沖縄県

車種による限定

三輪以上であればタンデム可
山形県、福島県、新潟県、千葉県、東京都、神奈川県、静岡県、長野県、福井県、愛知県、大阪府、京都府、兵庫県、島根県、山口県
四輪タンデムでも不可
福岡県、佐賀県、長崎県
佐賀県の、「交通頻繁でない道路では自転車の二人乗りが可能」という規則は削除されたようです。それにともない、タンデム車はすべて不可となっています。

[1] タンデム自転車でタンデム
2人ぶんの乗車装置がついた自転車に定員乗車できることを言っている。
[2] 自転車歩行者専用道
いわゆるサイクリングロードはこれに相当する。自転車通行可の歩道のことではない。
[3] 「タンデム車を除く」の標識
自転車専用、自転車歩行者専用の標識は、"普通"自転車を対象にしているので、「タンデム車を除く」がないとタンデム車は通行できない、と東京都は解釈している。
[4] 自転車専用道
道路法で言う自転車専用道。自転車専用道はほとんど存在しない。

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2011/05/11

大阪でタンデム自転車を楽しむ会の活躍

5月8日(日)に、大阪でタンデム自転車の体験会がありました。 この体験会は、大阪でタンデム自転車を楽しむ会が協力する形で実現しました。 天気も良く、総勢で70名の参加があり、盛会だったもようです。

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今回のタンデム自転車体験会では大視会の呼びかけで集まった視覚障害者の方たちに自転車に乗って風を切って走るという経験をしてもらいました。

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体験した人の感想の中には「初めて自転車で風を切って走る事を経験し、自転車のイメージが変わった」というものや、「自分でタンデム自転車を乗りたい」というものもありました。

私自身もパイロットとして参加しましたが、タンデム自転車を参加者の方と楽しく話をしながら一緒にこぐ経験はとてもすばらしいものでした。 趣味やスポーツとしてだけでなく、コミュニケーションの面でもタンデム自転車のポテンシャルの高さを実感し、もっと広めていきたいと思います。 あおぞら財団ではタンデム自転車の貸し出しを行っています。興味を持たれた方はぜひお問合せください!

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記事全文: あおぞら財団ブログ > タンデム自転車体験会を開催しました!


コミュニケーションの面でもタンデム自転車のポテンシャルの高さを実感し、もっと広めていきたいと思います。

タンデム自転車で、1人では自転車に乗れない人の行動範囲が広がります。 1人で自転車に乗れる人にとっても、タンデム自転車で世界が広がります。

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7月10日(日) 京都でタンデムサイクリング兼ハンドサイクル体験会

1人では自転車に乗れない方を対象に、京都市でタンデムサイクリング・ハンドサイクルの体験会が企画されています。

日頃、一人では自転車に乗る機会が少ない方々を対象に、タンデムサイクリング兼ハンドサイクル体験会を開催いたします。 風をきる喜び、そして友情の輪を広げ、さわやかな1日を過ごしていただけるよう、皆さんのご参加をお待ちしています。

...

主催
京都市障害者スポーツセンター・ 京都府バイコロジーをすすめる会
開催日
7月10日(日)
場所
宝が池公園・池周辺

記事全文: 京都市障害者スポーツセンター > 事業のお知らせ > タンデムサイクリング兼ハンドサイクル体験会

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