2010/07/24

思い込みは無くならないのか

小回りがきかないから、タンデム自転車の公道走行が制限されているのではありません。 通常の自転車(=一人乗りの普通自転車)と特性が異なることも制限の理由にはなりません。

この記事は、タンデム自転車の規制の理由を確認せずに書いているのでしょう。

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タンデム車は、1台に複数のサドルとペダルを備え、先頭の人がハンドルを操作する。 障害者や高齢者も後席でサイクリングを楽しめるほか、観光などへの活用も期待されるが、小回りがきかないなど通常の自転車と異なる特性があることから、ほとんどの都道府県が公道走行を制限している。

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YOMIURI ONLINE ホーム>地域>愛媛 県、タンデム自転車公道認可

この記事を書いた人はおそらく、どこからかこの文章を写してきたのでしょう。 そっくり同じ文を何度か目にしましたから。

「通常の自転車と異なる特性がある」ことが禁止の理由ならば、タンデム自転車そのものを公道走行禁止にするはずです。 そもそも、「通常の自転車より小回りがきかない」ことが問題になるとしたら、使用者の個人的な問題にしかなりません。 公道走行を禁止する理由にならないことは、考えただけでも判ることです。

「タンデム自転車の公道走行禁止」というのは、「タンデム自転車の定員乗車を禁止」しているに過ぎません。 タンデム自転車に一人で乗るならば、公道走行しても構わないのです。 つまり、小回りとか大きさは理由ではないのです。

そもそも「タンデム禁止」という事を知っている人はあまりいません。 2人乗り用の自転車に2人で乗れないとは思わないのが普通です。 一般的な感覚に反する規制と言えましょう。

「タンデム禁止」ということ知っている人でも、法的な構造を知っている人は稀です 思い込みで適当なことを語る人も少なくありません。

そして、「タンデム禁止」の理由を知っている人はいません。 警察に聞いても、「おそらく」という前置き付き、もしくは担当者の憶測で、理由を説明してくれるだけです。 「規則で禁止されているから禁止」という説明がなされる場合もあります。理由が無いことを承知してはいるのでしょう。

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2010/07/23

愛媛県でタンデム自転車解禁、8月1日から

今年の1月に、"愛媛県 タンデム自転車一般公道開放準備中"という記事を書きました。

そのときは、「県内全域への拡大は、海道でのタンデム車走行の状況をふまえて検討する。」とあったのですが、愛媛県全域でタンデム自転車に乗れるように規則が改正されるとのこと。

「えひめ夢提案制度」の第10回提案募集において、NPO法人シクロツーリズムしまなみから提案のあったこのことについては、提案実現の可否を含めた検討が行われてきたところです。

このたび、愛媛県道路交通規則が一部改正され、次のとおり、平成22年8月1日から県下全域において、2人乗りタンデム自転車による一般道路の通行が可能となります。

【規制解除区間】

  • 県下全域の一般道路

※ しまなみ海道の来島海峡大橋(歩行者・自転車用の部分)、伯方・大島大橋(原付・自転車用の部分)、大三島橋(原付・自転車用の部分)も通行可能となります。 ただし、多々羅大橋は規制解除の対象外です(広島県側への誤走を防止するため)。

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参照: えひめ夢提案制度 おしらせ 2人乗りタンデム自転車の一般道路通行に係る規制緩和について [PDF]


二輪のタンデム自転車で一般道を走ることができるのは、長野県、兵庫県、山形県、愛媛県の4県となりました。 さて、次はどこ?

追記: 「さて、次はどこ?」なんて書いてみましたが、次は広島県かもしれません。

"しまなみポタリング日記: タンデム解禁 バンザーイ!"には、こんな一文が書かれています。

これ(愛媛県でタンデム自転車解禁)を受けて、しまなみ海道でつながる広島県側の知事からも、タンデム自転車の安全検証を前向きに進めているという返答がありました。

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2010/07/20

宇都宮サイクルピクニックに14台のタンデム自転車

7月19日に、うつのみやサイクルピクニックに参加してきました。

当日は朝から快晴。 暑いどころか、日差しが熱いくらい。

スタート地点には、14台のタンデム自転車が集合しました。 個人が持ち込んだタンデム自転車は、4台だったかな? 実に壮観でした。

"タンデム自転車で参加できますよ"というだけで、一般のサイクリングイベントに、これだけのタンデム自転車が集まるというのは、うつのみやサイクルピクニックならではだと思います。

私と同乗したのは視覚障害の方だったのですが、走行中は目が悪いことによる不便を一切感じさせませんでした。 自転車から降りたときに、少々手をかせば何の支障もなく行動を共にできます。

タンデム自転車は、単に一緒に走れるだけの自転車ではありません。 サイクリングを楽しんだうえに、結果的にボランティアになってしまうという、理想的なバリアフリーを実現する道具になります。

関係者と話してわかったのですが、タンデム自転車でのイベント参加が可能になったのは多くの人の努力の結果でした。 タンデム自転車での走行のために警察署と交渉した主催者。 タンデム自転車を提供してくれた、栃木県のサイクリング協会。 宇都宮大学の学生さん(+ 卒業生)もパイロットとして参加してくれています。

特筆すべきは、担当の警察官はじめ、栃木県警が様々な制限のなかで、できる限りの便宜をはかってくれたということです。

栃木県でのタンデム自転車解禁活動も活発化していますし、一般道を気分よく走れる日はそう遠くない気がしてきました。

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2010/07/19

7月29日、北海道 北見市で、タンデムサイクリング教室開催

北見サイクリング協会が、7月29日に、タンデムサイクリング教室を予定しています。

タンデムサイクリング教室 [北見市] [体験・教室・見学]

日ごろアウトドアスポーツに触れる機会の少ない視覚障害者に、サイクリングを楽しんでもらう。

北見サイクリング協会会員と一緒に2人乗り用の自転車に乗ってもらい、河川敷のサイクリングロードを走行する。 対象は市内や近隣に住む視覚障害者。

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開催日時
2010/7/29 10:00〜13:00
申し込み
7月23日まで
料金・費用
参加無料

記事全文: 北海道新聞のWebサイトホーム > 生活情報 > イベント > タンデムサイクリング教室

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2010/07/15

大阪で、タンデム自転車体験会

大阪でも、タンデム自転車の公道走行実現を目指している人たちがいます。

サイクリングが好きな方は勿論、視覚に障害のある方や脚力の弱い方でも誰でも楽しめる、二人でペダルを漕いで走れるタンデム自転車を体験してみませんか?

大阪府下でのタンデム自転車の公道走行実現を目ざして、タンデム自転車の体験会を実施いたします。

  • 日時: 2010年7月25日(日) 13時〜15時 (少雨決行)
  • 場所: 淀川河川公園 外島地区 陸上トラック (守口市)
  • 内容
    • タンデム自転車体験会
    • シンガーソングライター イ・ヨンボさんによるミニコンサート
    • タンデムサイクリングについて、ミニトーク
  • 参加費: 300円 (保険代含む)

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記事全文: 自転車文化タウンづくりの会〜愛称募集中〜ブログ: 「タンデム自転車と出会う会」開催のご案内

まずはタンデム自転車を知ってもらわないと始まりませんものね。

栃木県でタンデム自転車の公道走行を目指した活動があることを以前紹介しました。 もっと前には、愛媛県 タンデム自転車一般公道開放準備中ということもありました。 (なにやら気配が伝わってきます。近日中になにかありそう。)

面白いのは、このような活動が組織化されているわけではないということ。 自然発生的にあちこちで動きがあるわけです。

「自然発生的な活動」の意味するところは、タンデム自転車を必要とする人は全国にあまねく存在するということにほかなりません。

ぐずぐずしていないで、自分の地元でも何かやらねばいけませんなあ。

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2010/07/07

警察(官)は心配性

ブログ Lost Squadron.の管理人さんが問い合わせしていた、淡路島ロングライドにタンデム自転車で参加できないのはなぜ?という話。 結論から言うと、今回は参加不可になりました。

担当の警察(官)が、見たことの無い自転車を心配し、タンデム自転車での参加を遠慮してもらいたいという意向を示したためです。 職務の性格上、こういった結論を出してしまうのは仕方の無いことだと思うのですが。

兵庫県の交通規則ではタンデム自転車に配慮があり、タンデム自転車の公道走行を認められています。 淡路島は兵庫県にあるので、タンデム自転車の走行になんの問題もありません。

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  1. 2010スポニチ 淡路島ロングライド150の参加要綱に、「タンデム車を含む2人乗りの禁止」と書いてあった。
  2. 「兵庫なのにタンデムなんでダメなの?」と問い合わせ
  3. 大会事務局から、「(同じスポニチ主催のイベントの)佐渡島ロングライドの参加要綱を写したのでそうなった。警察との会議で確認する。交通規則でOKなのだから問題ないはずであり、そうなるよう努力する」という返事。
  4. 警察は検討の結果、タンデムの走行まかりならんという判断を下す。

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記事全文: Lost Squadron. 淡路島ロングライドとタンデムの結果

タンデム自転車に馴染みの無い人たちにとって、タンデム自転車というと、「観光地で楽しく」乗っているイメージがあるようです。 坂を登るなんて無理、ブレーキも効かない(注)、操縦も難しい、150kmという距離を走るなんて想像もつかない、のでしょう。 これは、レンタサイクルによくある、軽快車型のタンデム自転車の話です。
(注) 実は効かない訳ではなくて、多くの人は自転車のブレーキの使い方をよく知らないのです。 たいていのタンデム自転車には、十分よく効くブレーキが付いています。

担当の警察(官)がタンデム自転車での参加を遠慮願った動機は、印象に基づくもので、列挙された理由は後付けでしょう。 そうでないと苦しすぎる言い訳です。 でもこれは仕方の無いことなんです。 日本の警察は、道路の規制と取り締まりと安全確保の全ての責任を負わされてしまっていますから。

実際には、ロングライドに参加するようなタンデム自転車は、よく進むし、ブレーキもよく効き、安定していて、長距離走行にはもってこいの自転車です。 このことは、日本の自転車関係者もよく知らないことのようです。 ましてや警察(官)がそれを知らないのも不思議はありません。

次(?)号予告

心配性の警察(官)、イベント主催者、自転車関係者の皆様に向けて、スポーツタンデム自転車がどんなものかを知ってもらうための記事をまとめる所存。 「次」になるかどうか保証の限りではない。 期待せず待て!

P.S.

今回の淡路島ロングライド、タンデム参加の件で、事務局の方は警察(官)の誤解を解こうと、粘り強く交渉してくれたようです。 ホント頭が下がります。

ついでになぜ、警察(官)とカッコ付きで(官)と付けてこの記事を書いているか。 実はこういう判断って、当事者である担当の警察官の個人的見解が、警察(組織)の判断として下されることが多々あるのです。 警察という組織は、なにしろ忙しいですからね。 小さく納められることについては、なるべく小さく納めようとするようです。

でもねえ、心配してくれるなら、先導してくれるとか、交通整理してくれるとか、そういう方向の心配してくれるといいんだけどなあ。

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2010/07/04

タンデム自転車公道走行解禁運動、栃木県で活発化

このblogの姉妹ブログともいうべき、「タンデム自転車でまちづくりを考える」の管理人さんも参加しているグループが、タンデム自転車で栃木県内を走行できるようにと、活動を活発化させています。 署名活動も実施していますし、タンデム自転車への理解を深めてもらおうと、試乗会も企画しています。

活動が読売新聞に取り上げられていました。

2人乗り用の「タンデム自転車」を普及させようと、愛好者らが市民団体「セブンナーサリー」を設立した。 メンバー15人のうち、4人は視覚障害者だ。 代表の友光光子さんは「視覚障害者や、足腰の弱い高齢者でも自転車で外出でき、楽しさや爽快感を得られる」と強調。 メンバーは公道での走行許可を目指しており、4日にツーリングイベントを開くなどし、理解を求めていく。

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記事全文: タンデム自転車を公道で:栃木:地域:YOMIURI ONLINE


タンデム自転車はやはり誤解されているのでしょうね。 記事中にも「...小回りが利かず運転が難しいため、安全性の問題から...」というくだりがあります。

一人乗りの自転車にくらべたら、たしかに小回りは効きません。 効きませんが、タンデム自転車の小回り性能が禁止の理由ならば、自転車以外のほとんどの車両は公道を走れないことになります。 運転も難しくありません。 幼児を幼児用座席に載せる方が、高度な技術を必要とします。

「県警交通企画課は『2人乗りは慣れていないと危険』と説明している。」--- まったくそのとおりで、慣れていれば危険ではないのです。 自転車は「一人乗りでも慣れていないと危険」なものです。 一人乗りの自転車といえど、公道を走行できるのは、「慣れていること」を暗に要求されています。 慣れたペアにタンデム自転車を禁止しておく理由がありません。

とはいうものの、明確な理由もなく禁止してきた -- 実際には、要望が無かったので検討せずにここまできた -- ために、積極的に利用しようという人も居ませんでした。 利用している人がいないのだから、警察でもタンデム自転車がどういうものか知らないのです。

無条件の解禁に不安があるのなら、講習を義務付け、一定の技能を持った人にパイロットを限定するなど、方法はあるはずです。 タンデム自転車の利用を切望している人たち( +潜在需要 )は少なくありません。 栃木県警の見識を信じたいです。

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