自活研の小林理事長は、タンデム自転車のことも気にかけてくれています。
今年の5月にも、TEAM KEEP LEFTに小林さんの書いたコラムを「その道までタンデムはどうやっていけばいいのだろう」で紹介しました。
最新のコラムでも、タンデム自転車を話題にしています。
「そうした自転車がなぜ安全に走行できるかというと、信号が比較的少ないこと、道路を使う交通機関のランクが明確で優先順位がわかりやすいこと、そして自転車走行空間が指定されていることが多いこと、などが挙げられる。」
これは、「そうした自転車」のみならず、一人乗りの自転車が安全に走行できる条件そのものです。
タンデム自転車と一人乗りの安全性に違いはありません。タンデム自転車に危険な交通環境ならば、一人乗りの自転車にも危険です。
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長野県だけで許されてきたタンデム自転車の公道走行が、近年、他の県でも解禁され始めた。
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クルマなら普通に公道を走れるのに、自転車ではダメだというのがずっと理解できないでいた。
二人乗りは危険だ、というのである。
欧米では危険なものを公道で走らせ、大事故が起きているかというと、そんなことはない。
二人でバランスをとるのが難しい、という人がいるが、そもそも自転車はスピードが出るまでは安定しないものだ。
欧米や長野の人が普通に乗りこなしているわけだから、それ以外の人たちをみんな運動音痴だというのは失礼ではないか。
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3年前、兵庫県がタンデム解禁に踏み切り、2年前は山形県が追随し、昨年はしまなみ海道でつながる愛媛県と広島県が走行可にした。
宇都宮さん夫妻だけでなく、視覚障害がある方でも自転車が楽しめるようになった。
いまのところ、タンデムだからという理由で事故が起きたとは聞いていない。
和歌山県のように自転車専用道のみOKとか、視覚障害者協会の要請に応えない富山県など、中途半端な対応では混乱するだけだ。
欧米には、3人、4人が乗れる自転車もある。
ビアバイクと称する14人乗りの巨大4輪車も走る。
ビール樽とサーバーが取り付けられていて、呑みながら左右6名ずつの漕ぎ手がペダルを踏み、運転席には素面のドライバーが座る。
残りの一人はビールを注ぐ係である。
人力だけで動く水平対向12気筒自転車である。
そうした自転車がなぜ安全に走行できるかというと、信号が比較的少ないこと、道路を使う交通機関のランクが明確で優先順位がわかりやすいこと、そして自転車走行空間が指定されていることが多いこと、などが挙げられる。
どれも我が国には見あたらない条件だ。
タンデムが普通になれば、こうした道路や交通規制も変わっていくだろう。
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記事全文: TEAM KEEP LEFT > 自転車時代がやってきた! > 2011年11月30日(水) 【自活研・小林理事長の自転車コラムその13】~タンデム・その2~
ちょっと変な話なんですが、記事中のビアバイク、多分(*)、日本でも多くの地域で規則上は運用可能です。
四輪の自転車には、特に乗車人員の制限を設けていない地域が多いからです。
自転車も単純に「定員乗車」ということにすれば判りやすいんですけれどね。
(*)もしかしたら、運送車両法における軽車両の大きさの制限 -- 長さ4m、幅2m、高さ3m --に引っ掛かるかもしれないので、「多分」と書きました。
でも、運送車両法で言う「軽車両」に四輪の自転車は含まれていないので、制限があるかどうかも、正確なところは判りません。
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