タンデム自転車難しいの理由
タンデム自転車って難しい?
「タンデム自転車? 一度乗った事があるけれど、あれはねぇ……」という文脈で語られるタンデム自転車。 どうも私の実感と合わないのです。 曰く、
- 発進でふらつく
- 安定しない
- 怖い
- 息が合わないと辛い
- 坂を登れない
そんなことないよなあ、と感じていたのですが。 いろんな人にタンデム自転車を試乗してもらって、ようやく理由が判ってきました。
タンデム自転車難しいの理由1
走り出すときに自転車を傾ける癖。
スポーツ車を乗っている人に多いです。 タンデム自転車は前席の人が自転車を支えて、後席の人はペダルに両足とも乗せておいてから走り出すと簡単です。 (くわしくは、タンデム自転車の発進・停止を参照ください。)
このとき、後席の人の体重はすべて自転車に支えてもらいましょう。 すなわち、自転車を垂直にたてておく必要があるのです。
自転車を傾ける癖のある人が前席だとこの「簡単な発進の方法」がとれません。
タンデム自転車難しいの理由2
後席の人が前を覗き込もうとして体を乗り出す。
前が見えないのに自転車が進んでしまうのは慣れませんよね。 後席の人は、不安になって前を覗き込もうとします。
操縦者にとっては不意に自転車を傾けられることになります。 常に傾いた自転車は真っすぐ走りません。
乗り馴れているペアも広い場所で実験してみると面白いです。 後席が意識的に、前を覗き込もうとして体を左右に乗り出してみてください。 見事にそっちに曲がって行きます。
タンデム自転車難しいの理由3
後席の人が反射的に操縦しちゃう。
自転車が傾いたとき、まわらないハンドルを回そうとしたり体重移動しようとしたり。 前席の人の操縦とタイミングが合わないので、不安定が増幅していきます。
タンデム自転車難しいの理由4
踏み込みと加速の違和感。
タンデム自転車は二人の力の足し算で進みます。
加速したいとき(発進のときなど)に、どちらかの人は期待通りに加速しないのでいつもより余計に踏み込みます。 そのときもう片方の人は予想以上の加速にペダルを踏む力を緩めます。
加速したい人が踏み込むほど、加速したく無い人がペダル踏まなくなります。 悪循環。
登り坂でも同じことが起こります。
前席の人は「速度落としたらまずい」とばかりに強くペダルを踏みます。
後席の人は、速度も変わらないし斜度もわからないので、ペダルをいつも通りに踏んでしまいます。 (充分速度がでていると思って、ペダルを踏む力を弱めてしまう場合もあります。)
タンデム自転車難しいのは、判っちゃえば簡単なこと
タンデム特有の事情を知らずに一人乗りの延長で考えてしまうので、難しくなるのです。
まとめると:
- 前席の人は走り出しで自転車を垂直に支える。
- 後席の人は前を見ようとしない。操縦しようとしない。慣れるまで怖いけれど我慢。
- 加速や速度は「出たなり」に。慣れるまで違和感あるけれど我慢。
- あるいは、「坂だよ、一割増しで踏んで!」とか、声をかけ合いましょう
タンデム自転車は難しくはありません。 しかし予備知識なし練習なしに最初からスイスイ乗れるほど簡単なものでもありません。
ロードレーサーに初めて乗ったときのこと、思い出してください。 電動アシスト自転車に初めて乗ったときの違和感、思い出してください。
でもしばらくすると、自由自在に扱えるようになるのも知っていますよね。
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